タコとウオノメ

おしゃれな女性の憎っくき敵、足に出来る‘タコ’や‘魚の目’。

素足になる機会の多いこの時期は特に気になりますね。

 今日は、悩んでいらっしゃる方も多い、足に出来る‘タコ’や‘魚の目’についてお話したいと思います。

足のタコ・魚の目の原因)

 どちらも、長期間に渡って、一定部位に‘圧迫’や‘ズレ’と言った機械的刺激が加わる事によって起こります。

 そしてこれらの刺激から、その部位の皮膚を肥厚させることによって体を守ろうとする生体防御反応の一つです。

 足に合わないサイズや形状の靴を長期間履いたりする事によって生じる事が多いのですが、変形性関節症や先天的な足の変形、リウマチなどの進行性の慢性関節疾患が元になり、生じる場合もあります。

タコ・魚の目とは?)

①タコ

正式名称は‘胼胝(べんち)’と言います。

 図のように、皮膚構造の内、角質層が肥厚して起こるのがタコです。基本的に痛みは出現しませんが、肥厚が強くなると荷重が掛かったりしたときに皮下組織が圧迫され痛みを生じる場合があります。

②ウオノメ

正式名称は‘鶏眼(けいがん)’と言います。

 発生機序はタコと同じですが、タコとの大きな違いは、名前の由来ともなっている魚の目の様な‘芯’呼ばれる部分があることです。

 この芯は角質層が真皮層に向かって楔型に肥厚するために、荷重が掛かった時などに強い痛みを感じます。

好発部位)

 ~図1より~

 ・指背(指節間関節)

   ハンマートゥーの方や5cm以上の踵高の靴(いわゆるハイヒール)を常用している方

は注意(踵高5cm以上で足が前滑りを起こします)

・小指の付け根外側(第5中足指節関節)

   つま先が尖った形状の靴や踵高の高い靴を常用している方、

内反小指の方は注意

 ~図2より~

 ・指の間

  つま先が尖った形状の靴を常用している方は注意 

 ・第2~3指の付け根(第2~3中足指節関節)

  開張足(外反母趾の前兆と言われている)の方は注意

 ・親指の付け根内側(第1中足指節関節)

  外反母趾の方は注意 

タコ・魚の目に対する病院での治療方法

タコ)

  タコは基本的に痛みを伴う事がなく、日常生活に支障を来すことがないため、通常治療対象になることはありません。

  ただ、肥厚の程度が強く荷重時に皮下組織が圧迫され痛みが場合はメスで削るなどの処置が必要になる場合があります。

魚の目)

・冷凍凝固療法

  魚の目の部分を液体窒素などで冷凍し、組織を壊死させ取り除く方法です。

・メスによる切除

   魚の目をメスで切開して取り除きます。予め薬品で魚の目を柔らかくしたり、局所麻

酔を使う場合があります。

・レーザーによる除去

  芯の部分だけを取り除く方法です。

家庭で行われているケア方法と注意点)

魚の目)

  市販薬(サリチル酸)を使って魚の目を浸軟させ取り除く方法がとられます。しかしこの方法は、周囲の健康な皮膚も取り除くことになってしまうなどの問題もあります。

  また、クッション材などの魚の目に掛かる力を和らげるものもあります。芯を取ろうとするあまり化膿させてしまう場合がありますので注意が必要です。

タコ)

  肥厚した角質層をヤスリ(ファイルとも言う)で削るのが一般的ですが、削り過ぎないように注意が必要です。

痛みを伴うことは少ないので、放置されることも多いです。