外反母趾 防止と改善

外反母趾 防止と改善 その1

外反母趾 防止と改善その1

「外反母趾に対するタオルギャザー運動の適応判断とアプローチ」①

タオルギャザー運動は足部機能を高めて、外反母趾の防止や改善に効果のある運動として一般的にも広く知られていますが、その一方で、適応判断を誤ると外反母趾を助長する可能性があります。

 そこで今回は、タオルギャザー運動の適応判断とアプローチについて、何回かに分けてお話ししたいと思います。

 初回の今日は‘適応判断’についてお話します。

Ⅰ.適応判断に必要な情報

  1. 一般情報現病歴・スポーツ歴・靴履歴 など)
  2. 画像情報(外反母趾角・開張度・関節変形 など)
  3. 理学的情報(関節可動域・筋力・歩行分析・足部評価 など)

 こんなにたくさんの情報が必要なの?と思われる方もいらっしゃると思いますが、それだけ「タオルギャザー運動」の適応判断はしっかりと慎重に行います。

 適応判断ではまず外反母趾の‘可塑性’が重要となります(下図)。外反母趾の方の中には外反変形が強度であっても可塑性を認める例があり、この様な例では適応と考えられます。逆にリウマチの方では、変形が軽度であっても疼痛の強い例では可塑性が低下している場合が認められ、この様な例では適応外と考えられます。

次に重要となるのは‘自動運動性’です。外反母趾が高度になってくると、関節の可動域制限や筋力低下により自動運動性が低下している方も多く見受けられます。この様な例では自動運動時に母趾趾腹(指の腹)が垂直に床面を押すことが出来なくなります。これでは運動の効果が期待出来ないばかりか、より外反母趾が進行する可能性があるので注意が必要です。

下図は、前述の内容を「適応判断簡易チャート」として表したものです。